油断すると、脳内の世界に入り浸ってしまうことがある。
道を歩いている時でも、お風呂で髪を洗っている時でも、ふと何か脳が反応したワードが目に入ったり過去の出来事を思い出したりすると、意識はそこから消えて脳内に向いてしまう。
「ピアノ」という言葉が出てきて、頭の中でピアノを弾き始めてしまい、気が付くと会話に出遅れていることもある。
また、想起した言葉が辛い思い出に紐づいてしまうと、しばらく勝手に凹んだり、思わず叫びたくなってしまうこともある(外では叫ばないけど、家に一人でいたら叫んでいる)。
この「脳内の世界に入り浸っている」状態は心地良く、その時間を長くするために目の前のタスクをダラダラとしてのんびり進めてしまう癖がある(会議では流石にできないけれど…)。
その結果、当然だがなかなか目の前のやるべきことが終わらず、自由時間を確保できないという問題が生じる。要は、時間の使い方が下手なのだと思う。
お風呂では何回シャンプーをしたか忘れたり、誰かの話を当然聞き逃したり(明らかに耳には音が入っているのに…)、気が付くと歯磨きの手が止まっていたりと、何かしているはずなのに目の前のタスクがなかなか終わらなかったりする。
外から見れば、随分のんびり動いていて、でも、頭の中はとっても忙しい状態なのである。
とはいえ、この現実世界ではずっと脳内に入り浸るわけにもいかないので、私はいくつかの方法でなんとか現実の問題を対処している。
強制的に集中せざるを得ない環境を作る
タイマーをかけて時間制限をすることで、「歯磨きをする」が「何分以内に歯磨きを終わらせる」という難易度の高いタスクに変わるので、脳内の世界に入り浸る余裕を無くす。
あるいは少し方向性が変わるが、アプリ「ルーチンタイマー」など、タスクを順番にアナウンスしてくれるアプリがあるので、それに従って動くことで、「どんな精神状態でもとりあえずこれに従えば大丈夫」という環境を作る方法もある。
(ぜひ気になった方はアプリの名前でぐぐってください)
これはどちらかというと「脳内の世界に入り浸らないようにする」ではなく「脳内の世界に入り浸ってもいいようにする」かも…
一回、やるべきことを文字に起こしてからそれを潰す形式に置き換える
これはお風呂などでは実行しづらい方法だが… 脳内に入り浸りがちな場面として、「非言語的なタスク」「進捗が可視化されづらいタスク」が挙げられる。
例えば、漠然と「机の上を整理する」に困っているときなど、本当に細かくて良いので
・まず机の上のゴミを全部捨てる
・書類をすべてファイルに入れる
・電子機器を充電する
といった、数秒でできるタスクレベルでも、一度テキストに起こす。手を動かした方が早いものもありそうだが、脳内に入ってしまうくらいなら一度こうした方が早いこともある。
また、「可視化されづらいタスク」という意味では、些細な意思決定を一つとっても、一旦手順を整理してからちまちまと進めるとよいことがある。例えば美容院を決めるときに、
・美容院に求める条件を自分で考える
・最寄りの美容院を数件検索し、リストアップする
・条件に何点合致しているかを計算する
といった具合である。
(いわゆる「大きなタスクは細分化しよう」という一般論になりつつあるが)
ある程度思考に影響するような適度なノイズを加える
音楽を聴く、動画を流しておくなど…要は、余計なことを考える脳のリソースを潰しておくという案である。
ただ、「脳内で変なことを考えている」部分のリソースを「音楽を聴く」に置き換えているだけなので、本質的には問題解決になっていないような気もする…
個人的には一番よく使っていて、変に過去の辛いことを思い出してしまうくらいならこちらの方がよいなと思う。
ちなみに、何度か出てきた「テキストに起こす」をどう行っているかだが、PCでもスマホでも同期しているメモアプリがあると便利でよい(つまり、デジタルメモを使用している)。私は「simplenote」をずっと愛用している。
とはいえ、こうやって色々と脳内で思考することで、「こういったことをブログに書こう」などといった新たなやりたいことが見つかったりもするので、一概に「脳内に意識が向かう癖」自体は悪いものではないと思う。